中小企業診断士の歴史〔中小企業診断士の本質を知るため昔を知ろう〕

中小企業診断士の歴史




中小企業診断士を目指すなら、資格の成り立ちや変遷は知っておいて損にはなりません。

むしろ、中小企業診断士の本質を深く理解しようと思うなら、歴史を知っておいた方が良いのではないかと、ふと頭によぎりました。

ミーハーな心から、中小企業診断士の歴史について調べてみました。

ブレイクタイム記事として、お読みください。

中小企業診断士の歴史

筆者の乏しい知識だけでは、何もお伝えすることができなかかったため、猛烈にネットサーフィンしたところ、熱い情報を探しだすよりも先に自分の体がヒートアップしてしまいまして、3日間ほど安静にしていました。

話がそれてしまいましたが、中小企業診断士の歴史について私の感想なども踏まえながら、語っていきたいと思います。

中小企業診断士の現在に至るまでの変遷

中小企業診断士という資格がどのような変遷を経てきたのかを、はじめに一覧として記載します。

なんとな~くですが、中小企業診断士の成り立ちなどから見るにつれて、国の思惑などが見て取れるのではないでしょうか。

  • 昭和23年:中小企業庁設置
  • 中小企業政策の3本柱(金融・組織化・診断、指導)

    中小企業の経営・技術の遅れを克服するため「中小企業診断基本要領」を制定。経営に関する専門家を活用する「中小企業診断士制度」が発足

  • 昭和27年:中小企業診断員登録制を発足
  • 診断制度の質的・量的拡充を図るため、優秀な専門家を通産大臣が登録し、都道府県等の行う診断指導に活用

  • 昭和38年 中小企業基本法制定
  • 中小企業の経営基盤の強化と産業構造の高度化を目的として高度化政策、近代化促進政策を実施。

  • 同年:中小企業指導法制定
  • 国と都道府県等が行う中小企業指導事業を計画的・効率的に推進するため、組合診断、高度化診断、設備近代化等16種類の診断要領を制定。

    中小企業相談員(昭和44年に(士)に改称)は指導事業に協力する者として法的根拠が確立される。

  • 同年:(社)中小診断協会による中小企業診断制度及び中小企業大学校による養成課程制度がスタート。(工鉱業と商業の2部門)
  • 昭和61年:第一次情報化革命に対応するため、試験制度及び養成課程制度に「情報」部門を追加。
  • 平成11年:中小企業基本法改正
  • 平成12年:中小企業指導法改正(中小企業支援法)

中小企業診断士の歴史は大きく3つ

中小企業診断士の変遷

中小企業診断士の歴史は、大きく分けて「黎明期」、「第1期」、「第2期」です。それぞれについて、もう少し詳しくご紹介していきます。

中小企業診断士の歴史「黎明期」

中小企業診断士制度が発足した昭和23年から昭和37年までが黎明期と位置づけられています。

なんとこの頃は、「無試験」で公務員の方が「中小企業診断員」との肩書で業務にあたっていたそうです。

中小企業診断士のそもそもの成り立ちは一般人を中小企業診断士に育成させるためではなく、主に公務員内の資格だったということがわかりますね。

無試験だなんて・・・今考えると羨ましい限りの制度です。

中小企業診断士の歴史「第1期」

中小企業基本法を改定したのに併せて、中小企業診断士制度が発足した昭和38年から平成11年までが「第1期」です。

中小企業診断士制度が正式に発足したこともあるのですが、中小企業診断士の法的位置づけが昭和38年に明確化されたのです。

昭和38年に中小企業診断士の法的位置づけ

  1. 法律理念
  2. 官による上からの「指導」

  3. 支援体制
  4. 総合指導所等の公務員による診断・指導(中小企業者による画一的施策メニュー)

  5. 中小企業診断士の対象者
  6. 都道府県などが行う中小企業指導事業において経営の診断を担当する者の能力認定制度(公務員を対象として想定)

  7. 中小企業診断士の重点領域
  8. 診断(現状分析)に重点

筆者の感想

これらを見ても、やはり中小企業診断士の初期は公務員が対象の資格だったんだなと分かります。

官による上からの「指導」とか凄い、ですよね。このころは、行政の力がとても強かったからなのかはよく分かりませんが、すごく上から目線感がびしばし伝わってきます。

情報をまとめていて、この時期の事業者は本当に中小企業診断士の指導を求めてやってくる人はどれくらいいたのだろうかと、思いを馳せてみましたが、何となく良いイメージは浮かびませんでした。。

あくまで筆者の感想ですので、あしからず。

あ、もう一つ。この時は「診断」だけに重点が置かれていたことも分かります。これは、時代の流れを表しているのだと推察しますが、昔は診断さえできば、ある程度業績を伸ばすことができると、国は考えていたのだと感じます。

そう考えると、現在の方が複雑化しており、求められるタスクも多いですが、その分活躍するフィールドも大きくなっているのではないでしょうか。

中小企業診断士の試験制度

昔は、商業部門と鉱工業部門、そして昭和61年から情報部門と部門ごとに分かれていました。

  1. 共通科目
  2. 「経営基本管理」「財務管理」「労務管理」「販売管理」の4科目が共通科目となっています。

  3. 商業部門の専門科目
  4. 「仕入管理」「店舗施設管理」「商品知識」「商業に関する経済的知識」の4科目が専門科目となっています。

    まさしく、商業に関する知識が問われていました。今でいうところの、運営管理の店舗販売管理に近いかもしれませんね。

  5. 鉱工業部門の専門科目
  6. 「生産管理」「資材購買管理」「鉱工業技術知識」「鉱工業に関する経済的知識」

    一方、こちらは当たり前ですが。鉱工業に関する知識が問われていました。現在の運営管理内の生産管理ですね。

  7. 情報部門の専門科目
  8. 経営情報管理」「情報システム(生産or流通を選択)」「情報技術に関する基礎的知識」「情報に関する経済的知識」

    情報については、そう現在の「経営情報システム」ですね。

筆者の感想

科目の中身までは調べられませんでしたが、わざわざ専門科目としているあたりから、今の試験より学ぶ科目数が少ないため、深い知識が学べたのではないかと思います。

なお、「科目合格制」はなく、総合点60%以上を獲得した「一発合格者」のみでした。しかも、マークシートではなく、手書きだったそうです。

一次試験もすべて記述式だったと考えると、昔もなかなかに大変な試験だったのだと感じますよね。

中小企業診断士の歴史「第2期」

この平成12年の中小企業指導法の改正が大きな転換期となって、現在の中小企業診断士の制度との根幹となっています。

  • 法律理念
  • 民間能力を活用した「支援」

  • 支援体制
  • 「支援事業」・・・・都道府県支援センター等が中心となり、地域の中小企業支援機関と連携を図りつつ、中小企業診断士等の民間事業者の活用による診断・助言(中小企業者の必要に応じた幅広い支援)

  • 中小企業診断士の対象者
  • 「民間」を含め、経営の診断及び助言の業務を行う者の能力認定制度(幅広く民間コンサルタントを対象)

  • 中小企業診断士の重点領域
  • 診断(現状分析)に加え、助言(企業の成長戦略アドバイス)を重視

筆者の感想

民間という言葉が何度も使われています。公務員が主対象だったのに対し、経済環境の変化化からか民間にも門戸を開放しそのパワーを活用して、中小企業の経済発展を目指そうとする姿が見てとれます。

それは、民間という言葉だけでなく、中小企業診断士の重点領域にも表れていますね。

先ほどは、診断(現状分析)に重点を置いていたのに対し、診断(現状分析)に加え、助言(企業の成長戦略のアドバイス)を重視となっています。

これは試験勉強だけという意味ではなく、実務においても重要なことであり、企業のおかれた現状からどのようにして突破口を見出していくのか、現実に即してを提案できる中小企業診断士が求められていると言えます。

中小企業診断士の端くれである筆者の感覚では、この具体的提案ができる中小企業診断士がいかほどまでにいるのかと考えると、それほど多くいないような気がしてなりません。

もちろん、素晴らしい中小企業診断士の方は沢山いらっしゃいますが、総数から見ると少ないと思います。

何が言いたいかと言いますと、圧倒的な実力を持てることさえできれば、中小企業診断士として独立しても必ず食っていけると断言します。

この辺りは、中小企業診断士は足の裏の米粒か論争|支援機関目線の感想で詳しく記載しています。

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最後に

中小企業診断士|最後に

中小企業診断士の歴史は、公務員に中小企業の診断能力を育成することがはじまりとなっていますが、それでも現在に至るまで変わらない本質として、中小企業の成長・発展につきます。

そのためには、中小企業の社長の心を掴む提案をしていく必要があります。これは、以前の診断が重点だった時であっても、診断と助言が重点である現在においても、中小企業の経営課題をしっかりと捉えることにつきます。

この能力を身につけるべく、中小企業診断士の資格試験取り組んでいるんだという思いをもって、試験勉強にあたっていただけたら幸いです。

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