ありがたいことに、ブログのコメント欄で以下のお言葉をいただきました。
yuriより
2018年1月19日7:08PM
とても参考になります。
28年予備校に通い一時も受からず、独学で29年の1次に受かったものの二次はボロボロで、どうしたものかと悩んでいました。
設問のマッピングという考え方は目からウロコです。
可能であれば近年の過去問のマッピングしたものを公開いただけると助かります。
設問マッピングってそもそも何っていう方のため、そして極めて稀な筆者の返信をご覧になりたい方のため、該当記事を貼っておきます。
どうでもいいよって方は、スルーしてください。
yuri様からの貴重なリクエストにお応えして、中小企業診断士の2次試験H26年の組織・人事事例を使って、設問マッピングの解説をしていきたいと思います。
設問マッピングをする前に
プロフィールでお伝えしている通り、筆者は中小企業診断士を取得するために二次試験を6回受けており、合格年はH27年です。
もちろん、平成26年の中小企業診断士試験も実際に受験しています。
筆者は、平成27年に合格をしましたが、H26年の組織・人事事例で解いた感触や解き方、考え方と実際に中小企業診断協会の評価結果とが一致したことで、本質を掴むことの重要性を確信したのです。
もちろん、結果はA評価で開示請求により判明した得点は70点でした。
過去問解説〔第1問〕
A社は、小規模ながら大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術を武器に事業を展開しようとする研究開発型中小企業である。
わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化があると考えられるか。120字以内で答えよ。
時間軸
着目すべき点は、「わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが」です。
ポイント1
近年という言葉から、過去ではないことは明らかです。
ポイント2
「増えつつあるが」という言葉から、現在進行形だと分かるため、現在~未来に分類できます。
該当論点
再度、文章をみてみましょう。
「わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化」となっています。
ポイント
経営環境の変化があると考えられるか、となっています。
環境の変化と言えば、中小企業診断士の一次知識で当てはめると、環境分析の論点にあてはまりますよね。
設問マッピング
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | ||
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | ||
| 人事 |
補足
問題を解いていく上で、挙げた2つをきっちりと整理できれば、この段階ではほぼ百点満点です。
「ほぼ」、というのは見過ごしても正解にたどり着けますが、中小企業診断士の試験出題者の意図を正確にくみ取る上で、さらにキャッチできる情報があります。
ポイント
勘の鋭い方は、お分かりかもしれませんね。
そうです。
先ほどの時間軸と該当論点で使っていない前段の文章の「A社は、小規模ながら大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術を武器に事業を展開しようとする研究開発型中小企業である。」に中小企業診断士の出題者の想いが込められています。
この文章は前置きの意味しかなしておらず、そんなに重要な一文には見えないと感じますよね。
第1問の解答を考えるだけであれば、特段必要のない文章なのですが、筆者が何度も口を酸っぱくして述べている経営課題を匂わせているのです。
経営課題を探せ
独創的な技術を武器にするために、研究開発に力を入れていくべきということです。
研究開発型の中小企業への転換なのか、更なる強化なのかはこの文章だけではわかりませんが、研究開発を軸にした分析や提案をしていかないと、中小企業診断士の試験出題者意図とはかけ離れた答案が出来上がり、結果点数が低くなってしまいます。
逆を言えば、あらかじめ経営課題が把握できていれば、出題者意図をくんだ答案が作成できるのです。
あわせて、この経営課題は時間軸としては、先ほどお伝えした通り、現在~未来となりますので、過去~現在においては、同様の経営課題が当てはまることはあり得ないということも判明します。
研究開発における具体的な経営課題をその他設問や与件から探しに行くこととなります。
一番重要なのは再現性です。
何となく理解できたと思った方は、他の年度で同じような使われ方がしていないか探ってみてください。
これまでとは違った見え方がするはずです。
これこそが、中小企業診断士の二次試験において過去問を徹底研究する最大の意味です!
1年に1回しかない資格試験において、合格の確立を高めたいならば・・・、経営課題の特定は最重要な事項となります。
設問マッピング〔再〕
補足分を追加した設問マッピングは以下の様になります。
重要なことなのでもう一度述べますが、研究開発に注力はあくまで仮であって、どのように研究開発に注力するかはその他設問と与件から探っていきます。
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 研究開発に注力 | |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | ||
| 人事 |
過去問解説〔第2問〕
A社は、創業期、大学や企業の研究機関に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。100字以内で答えよ。
時間軸
時間軸は簡単にわかると思います。当時の製品の多くが主力製品に育たなかった理由なので、完全に過去形ですね。
よって、過去~現在の時間軸と決まります。
該当論点
設問マッピングでは、組織に記入しました。しかし、その他設問や与件を先に筆者が理解しているため組織としてあるだけでして、初見の場合だと経営戦略or組織のどちからに記入できていればOKです。
設問マッピング
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 研究開発に注力 | |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | 第2問 | |
| 人事 |
補足
先にネタバレとなってしまうのですが、全設問を通して、過去~現在の時間軸に当てはまるのは本設問と第4問のみとなります。
そのため、経営課題はこの段階では分からないものの、逆説的に考えると、主力製品が育ったなかったものの、いつ時点かでは何かが主力製品へと育っていることは推測可能です。
ポイント1
つまり、主力製品が育った時点で、過去~現在の経営課題が解決されたのだと理解できます。
これで、主力製品が育った時点を与件から探しにいけば、解答候補がみつかるとわかりましたね。
ポイント2
さらに、先にネタバレすると、第3問で2度のターニングポイントを経て、安定的成長を確保できていると書かれています。
何が言いたいか、おわかりでしょうか・・・・。
そうです。第2問の経営課題を解決できたポイントがこのターニングポイントに書かれていそうだと想定できるます。
与件を読む前の段階でもある程度、該当ポイントを絞ることができるだけでなく、出題者の意図を組んだ読み方となるので、解答精度も格段に上がります。
設問マッピング〔再〕
先ほどの補足を踏まえると、以下のようにマッピングできます。
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 与件のターニングポイント近く | 研究開発に注力 |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | 第2問 | |
| 人事 |
過去問解説〔第3問〕
2度のターニング・ポイントを経て、A社は安定的成長を確保することができいるようになった。新しい事業の柱ができた結果、A社にとって組織管理上の新たな課題が生じた。それは、どのような課題であると考えられるか。100字以内で答えよ。
時間軸
時間の流れを考えるとターニングポイントによって、過去~現在にかけて、経営課題を解決してきました。その後、現在~未来にかけて、新たな経営課題が発生していると想像できます。
該当論点
ここは、簡単ですね。設問文に「組織管理上」と書かれているので、そのまま従いましょう。
設問マッピング
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 与件のターニングポイント近く | 研究開発に注力 |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | 第2問 | 第3問 |
| 人事 |
過去問解説〔第4問〕
A社の主力製品である試験管の良品率は、製造設備を内製化した後、60%まで改善したが、その後しばらく大幅な改善はみられず横ばいで推移した。ところが近年、良品率が60%から90%へと大幅に改善している。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。
時間軸
設問を読んだだけでは、どちらにマッピングすればよいか判断が難しいです。
近年との記載から現在~未来かなとも思えます。
しかし、よく考えてみると、良品率が60%から90%へと大幅に改善しているとの記述から、何らかの経営課題が解決されたことによる効果なのではないかと推察できれば、解決された事項であるので、過去~現在の時間軸にあてはまめることができます。
設問を読んだ段階は、仮説としてたてているだけですので、分からなければ空白でも構いませんし、間違った部分にマッピングしていても構いません。
与件を読み終わった段階で、再度考えればよいだけのことです。
重要なのは、仮説をもって設問を読み、その仮説があっているのか間違っているのかを与件と照らし合わせながら検証することです。
該当論点
環境分析や経営戦略でないことは何となくお分かりいただけるはずです。しかし、組織なのか人事なのかは本設問だけではわかりません。
このような場合は、第3問の時間軸でもご説明した通り、どちらかにとりあえずマッピングしておき、後で修正を加えていけば大丈夫です。
その上でどちらにマッピングすべきかですが、第2問が組織にマッピングされていることを考えると、問われていない論点である人事を選択しようと筆者なら考えます。
設問マッピング
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 与件のターニングポイント近く | 研究開発に注力 |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | 第2問 | 第3問 |
| 人事 | 第4問 |
過去問解説〔第5問〕
A社は、若干名の博士号取得者や博士号取得見込者を採用している。採用した高度な専門知識をもつ人材を長期的に勤務させていくためには、どのような管理施策をとるべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
時間軸
「長期的に勤務させていくためには」と書いてあります。
今後の話をしているので、もちろん現在~未来と分かりますよね。これは簡単です。
該当論点
人材の話をしていますし、第3問が組織にマッピングしているので、第4問は人事で問題ないだろうと解釈できます。
設問マッピング
| 過去~現在 | 現在~未来 | |
|---|---|---|
| 経営課題 | 与件のターニングポイント近く | 研究開発に注力 |
| 環境分析 | 第1問 | |
| 経営戦略 | ||
| 組織 | 第2問 | 第3問 |
| 人事 | 第4問 | 第5問 |
中小企業診断士の二次試験で良く聞かれる一貫性とは何か
設問マッピングで地図を描くことができました。
くどいようですが、この時に一番大事な視点は、第2問と第4問は、過去~現在における経営課題を軸とした一貫性をもたせる必要があります。
そして、第1問・第3問・第5問は、研究開発に注力(より具体的内容は与件で確認)を経営課題に、そのための分析と提案を行う必要があることです。
一貫性とは、時間軸ごとに発生している経営課題を軸に据えた分析や提案ができているかです。これさえ抑えられれば、中小企業診断士の二次試験を60%はクリアしたも同然です。
設問マッピングは利用して一貫性のある解答を目指していただけると、とてもうれしく思います。











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