中小企業診断士の難易度〔本当の難易度〕

中小企業診断士の難易度

中小企業診断診断士は、H27年の日経新聞の調査で取得したいビジネス系の資格でTOEICテストを抑え、トップとなっています。

人気が高まっている要因として、ビジネススキルを高めるために格好の資格であること、そしてAIが進展してもなくならない仕事に位置づけられていること、が挙げられます。

そんな人気上昇中の中小企業診断士の試験内容について、制度概要だけでなく、取得によるメリットや年収など、中小企業診断士取得を検討されている方が求めている情報をお伝えします。

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中小企業診断士とは

中小企業診断士とは

中小企業診断士とは国が認めた唯一の経営コンサルタント資格です。

ただし、税理士や社会保険労務士、行政書士といった他の国家資格と違うのは、独占業務が存在しない名称独占資格という点です。

そのため、ちまたでは足の裏の米粒と揶揄されることもあります。筆者は、中小企業支援機関に勤務しており、独立した中小企業診断士と接することが多いのですが、その実態は当たっている部分もある反面、あたっていない部分もあります。

中小企業診断士は足の裏の米粒か論争|支援機関目線の感想

2017.12.17

中小企業診断士を取得するメリット

中小企業診断士は、他の資格と求められている目的が大きく異なっており、中小企業の業績改善に対して、適切な分析と提案ができる人材を養成する位置づけとして考えられています。

そのため、先ほど述べた通り、産廃診断などほんの一部独占業務はありますが、基本的に独占業務は存在しません

なのに、なぜ人気の資格となっているのか。それは、中小企業診断士試験を学ぶことによって、ビジネスマンにとって一番必要とされる稼ぐための基礎スキルが向上できるからです。

中小企業診断士試験で得られる稼ぐための基礎スキルとは

ビジネス感度が高くなる

中小企業診断士は経営コンサルタントとして、経営全般に対するアドバイスが求められるため、企業経営理論、財務・会計、運営管理、経営法務、経営情報システム、経済学、中小企業経営・政策の7科目に及ぶ幅広い知識を身につけます。

これらの知識習得によって、世の中で起こっている事象がなぜ発生しているのか、根底を理解できるようになるため、ビジネス感度がとても高くなります。

ビジネス感度の向上は、比例してビジネスチャンスやリスクをいち早く発見するスキルが高まることを意味しています。

論理的思考能力が向上

経営コンサルタントとして、経営改善などのアドバイスを行っていくには、複雑に絡み合った問題点や現象を、筋道立ててひも解き、それに基づいた改善策を提案しなければなりません。

中小企業診断士(経営コンサルタント)として必須能力である論理的思考能力のレベルが合格水準に達しているかを徹底的に問われるので、間違いなく高まります。

AIの進展しても、なくならない職業の筆頭格として中小企業診断士が挙げられる由縁は、対人コミュニケーションの中から論理的に経営課題を発見していく必要があり、これは他の代書作業などとは大きく異なるからだと、筆者は感じています。

社外の人脈が格段に増加

中小企業診断士は独占業務が存在しないことと、それぞれ得意分野が異なるため、資格者同士仲が良く、横のつながりがとても強いです。

合格後に各支部の会員として入会すれば(年会費:5万円)、様々な分野の研究会活動が盛んに行われており、資格取得後も研鑽を積む場は多く用意されています。

多くの人と出会う機会が頻繁に設けられているので、独立を視野にいれている方以外でも、社外の人脈を築くことが可能です。

仕事上、何か困った時に頼りになる人がいるというのは、とても心強いものですよね。

中小企業診断士(経営コンサルタント)の年収

中小企業診断士の年収

皆さんが気になる中小企業診断士の平均年収は700~800万円と言われています。

足の裏の米粒と言われる割には平均年収700~800万円であれば、そんなに悪くないのではないでしょうか。

筆者の感覚ですが、他の士業系資格よりもとても稼いでいる人とあまり稼げていない人の二極化の傾向にあり、この辺りが独占業務でない結果にもつながっていると思います。

マイナスイメージに捉えられた方もいるかしもれませんが、ポジティブな見方をすると実力さえもっていれば、会社員時代を超える1,500万円や2,000万円の年収を獲得することも夢もの語りではなく全然可能な数字です。

実際に筆者も2,000万円以上稼いでいる独立の中小企業診断士を何名も知っています。

さらに、独立1年目の駆け出し中小企業診断士診断士(経営コンサルタント)のリアルな年収や仕事の獲得のしかたなどをインタビューしてきました。

かなり、リアルかつあまり表にでない情報も中小企業診断士のリアルガチな独立実情〔独立1年目の診断士に聞く〕にて掲載しています。

勉強時間(学習時間)

一次試験および二次試験あわせて、勉強時間(学習時間)はおよそ1,000時間と言われています。

一般的にストレートで合格される方の勉強時間(学習時間)は、一次試験が800時間で二次試験が200時間となっています。

中小企業診断士一次試験の科目ごとの勉強時間(学習時間)の目安

あくまで、一次試験の科目ごとにおける勉強時間(学習時間)の目安は次の通りです。

科目 難易度 勉強時間(学習時間) 二次試験関連度
経済学・経済政策 200時間
財務・会計 200時間
企業経営理論 140時間
運営管理 140時間
経営法務 120時間
経営情報システム 120時間
中小企業経営・政策 80時間
合計 1,000時間

勉強時間(学習時間)がかかる科目(経済学・経済政策、財務・会計)

経済学・経済政策と、財務・会計は、暗記というよりも、理解を重視する理系科目的な位置づけとなっています。そのため、公式などを単に覚えればOKというわけではなく、理屈しっかりとわかっていなければ、対応できないような問題の作りとなっています。

そのため、経済学・経済政策と財務・会計は、理解するまでに勉強時間(学習時間)が多くかかるため、最初の方に学ぶべき科目と言えます。

暗記系科目(経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策)の勉強時間(学習時間)

経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策は、基本的には暗記での対応となります。この3科目の勉強する順番はなるべく最後の方に回すことで記憶から消えないよう、短期決戦での勝負が吉です。

裏を返すと、経済学・経済政策や財務・会計のように理解に時間をかける必要はないので、勉強時間(学習時間)としては少なくすみますが、かと言って科目として簡単かと言うとそうではないことに注意が必要です。

中小企業診断士試験の合格率

年度によって変動はありますが、おおよそ一次試験と二次試験あわせて合格率は4%となっています。

中小企業診断士一次試験の合格率

平成17年度以前は、中小企業診断士試験の旧制度での運用であり、試験科目などが異なるため、平成18年度以降を参考にご覧ください。

一番高い年度は平成27年度の合格率で26.0%一番低い年度は平成22年度の合格率で15.9%と、なんと約10%も振れ幅があり、ある年度では合格できた人も、高難度の年度に当たると不合格になってしまう人が多数存在するのが中小企業診断士試験の一つの特徴です。

年度 受験者数 合格率
H13 8,837人 51.3%
H14 10,572人 31.7%
H15 12,449人 16.2%
H16 12,554人 15.7%
H17 11,000人 22.2%
H18 12,542人 22.3%
H19 12,776人 18.9%
H20 13,564人 23.4%
H21 15,056人 24.1%
H22 15,922人 15.9%
H23 15,803人 16.4%
H24 14,981人 23.5%
H25 14,252人 21.7%
H26 13,805人 23.2%
H27 13,186人 26.0%
H28 13,605人 17.7%
H29 14,343人 21.7%
H30 13,773人 23.5%

※受験者数は、欠席した科目がひとつもない方の人数です。

年代別のH30年度合格率

中小企業診断士の試験受験者数および合格者数のボリュームゾーンは、30~40歳代です。これからの自身の人生を考える時期に、更なるスキルアップを目的に受験しようと考える年代がちょうど30~40歳代に該当することと因果関係があると思われます。

20歳未満 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上
申込者数 96人 2,999人 6,376人 6,057人 3,526人 949人 113人
合格者数 4人 439人 1,060人 1,027人 570人 128人 8人
合格率 約1.0% 約14.6% 約16.6% 約17.0% 約16.2% 約13.5% 約7.1%

勤務先別のH30年度合格率

勤務先別で合格率が大きく違うということはありません。一方で、税理士や公認会計士だから合格率が高いわけでもないことが分かります。

中小企業診断士の試験は会計科目だけでなく、経営、生産管理、店舗運営、IT、中小企業政策など幅広い知識が問われることが大きな理由にあたります。

不得意科目をいかに作らず、いかにバランスよく勉強ができるかが重要だとも言えます。

勤務先 申込者数 合格者数 合格率
経営コンサルタント自営業 254 22 約8.7%
税理士・公認会計士等自営業 555 144 約26.0%
上記以外の自営業 504 73 約14.5%
経営コンサルタント事業所等勤務 589 79 約13.4%
民間企業勤務 11,986 1,988 約16.6%
政府系金融機関 367 85 約23.2%
政府系以外の金融機関 1,978 320 約16.2%
中小企業支援機関 561 57 約10.2%
独立行政法人・公益法人等勤務 273 43 約15.6%
公務員 633 108 約17.1%
研究・教育 116 14 約12.1%
学生 479 47 約9.8%
その他 1,821 256 約14.1%

中小企業診断士二次試験の合格率

中小企業診断士の二次試験は絶対試験であると公表されていますが、下図をみるとおおよそ20%の合格率で推移していることから、相対試験だと考えてよいです。

これは、中小企業診断士二次試験後の実務補習の受け入れが800~1,000人がキャパ的に最大であるからだとも言われています。

以上の理由から、若干のばらつきはあるものの、合格率は例年20%前後で推移していることがみて取れます。

年度 受験者数 合格率
H13 5,872人 10.7%
H14 6,394人 10.0%
H15 4,186人 16.9%
H16 3,189人 20.3%
H17 3,589人 19.6%
H18 4,014人 20.1%
H19 3,947人 20.2%
H20 4,412人 19.8%
H21 5,331人 17.8%
H22 4,736人 19.5%
H23 4,003人 19.7%
H24 4,878人 25.0%
H25 4,907人 18.5%
H26 4,885人 24.3%
H27 4,941人 19.1%
H28 4,394人 19.2%
H29 4,279人 19.4%

※受験者数は、欠席した科目がひとつもない方の人数です。

年代別のH29年度合格率

一次試験の合格者のボリュームゾーンは30~40代だったのに対し、二次試験は20代が合格率が一番高い状況になっています。これは、中小企業診断士の二次試験において、仕事の経験などが解答で求められているわけではなく、与えられた情報から正しい解答を導けるかの論理的思考能力が試されていると言えます。

20歳未満 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上
申込者数 1 535 1,482 1,387 821 214 13
合格者数 0 146 354 224 87 17 0
合格率 0% 約27.3% 約23.9% 約16.2% 約10.6% 約7.9% 0%

勤務先別のH29年度合格率

勤務先別に大きな差異はありませんが、特筆すべき事項として、学生の合格率が高いことです。これは、年代別でも述べた通り、仕事の経験などが求められるわけではなく、論理的思考力が求められる試験であると分かります。学生の場合は、社会人経験がないので逆に出題側が求める解答以外の道を考える余地がないことが、合格率の高さに繋がっていると言えるかもしれません。

勤務先 申込者数 合格者数 合格率
経営コンサルタント自営業 54 4 約7.4%
税理士・公認会計士等自営業 136 34 25%
上記以外の自営業 115 24 約20.9%
経営コンサルタント事業所等勤務 102 29 約28.4%
民間企業勤務 2,816 527 約18.7%
政府系金融機関 94 27 約28.7%
政府系以外の金融機関 390 75 約19.2%
中小企業支援機関 64 9 約14%
独立行政法人・公益法人等勤務 44 8 約18.2%
公務員 164 27 約16.5%
研究・教育 24 2 約8.3%
学生 47 12 約25.5%
その他 403 50 約12.4%

中小企業診断士一次試験

概要

一次試験はマークシート形式です。

全科目の総得点60%以上、かつ各科目40%未満でないこととなっています。

二次試験においても、企業経営理論、財務・会計、運営管理の3科目は主要科目として位置づけられるほど、重要な科目です。

科目 時間 配点
経済学・経済政策 60分 100点
財務・会計 60分 100点
運営管理 90分 100点
企業経営理論 90分 100点
経営情報システム 60分 100点
経営法務 60分 100点
中小企業経営・政策 90分 100点

中小企業診断士の試験日

例年8月の1週目の土・日曜日で開催されています。

平成30年度は8月4日(土)・5日(日)でした。

土曜日は花火大会と重なるため、日曜日の試験のために、わき目も降らず帰宅して勉強をしたという淡い記憶となっています。

受験料

13,000円

注意すべきは、一次試験の受験料と言うことです。

二次試験の受験料は別途かかります。

中小企業診断士一次試験に活かせる関連資格(検定試験)

年1回しか試験がないため、なかなかモチベーションを保つのが難しいという方もいらっしゃると思います。

また、中小企業診断士の一次試験は関連資格である各検定試験の3・2級を寄せ集めた試験内容といっても差し支えありません。

そのため、1年のうちに複数回行われる検定試験(関連資格)にチャレンジしながら、突破を目指のも一つの方法です。

もちろん覚えた内容は、中小企業診断士一次試験に直結します。

科目 関連資格 勉強時間
財務・会計 日商簿記3級 50時間
日商簿記2級 100時間
運営管理 販売士3級 30時間
販売士2級 70時間
経営法務 ビジネス実務法務3級 35時間
ビジネス実務法務2級 60時間
経営情報システム ITパスポート 60時間
経済学・経済政策 経済学検定試験 40時間

※勉強時間はあくまで目安です。

一番のおすすめ関連資格は、日商簿記2級です。財務・会計に苦戦する方が中小企業診断士受験者に多い傾向にありますが、関連資格である日商簿記2級を学ぶことで、論点の5割程度補えるだけでなく、一定期間集中して勉強することで、財務・会計の基礎が身につき得意科目へと押し上げることができます。

中小企業診断士2次試験

概要

中小企業診断士の二次試験は、一次試験とは打って変わって記述形式となります。

全科目共通として、経営課題に直面する事例企業に関する情報が記載されていて、その情報から経営改善を果たし、成長・発展へとつなげるための分析と提案をしなければなりません。紙上のコンサルティングとお考えいただくのが一番分かりやすいかもしれません。

中小企業診断士の1次試験のなかで、重点科目とお伝えした企業経営理論で習う「経営理論」は全科目共通、「組織・人事」は事例1、「マーケティング・流通」は事例2、運営管理で習う「生産管理」は事例3、「財務・会計」は事例4の主論点として出題されます。

科目 試験時間 配点
事例Ⅰ 80分 100点
事例Ⅱ 80分 100点
事例Ⅲ 80分 100点
事例Ⅳ 80分 100点

試験日

毎年、10月4週目の日曜日に開催されます。

平成30年度は、10月21日(日)です。

受験料

17,200円

中小企業診断士二次試験の受験料のみとなりますので、中小企業診断士一次試験の13,000円をあわせると、合計30,200円となります。

数字に表れない本当の難易度

中小企業診断士の本当の難易度

人によっては受験が長期化する可能性あり

一次試験はマークシート形式であるため、時間をかければ合格は十分可能です。さらに、科目合格制度を利用すれば、忙しいサラリーマンでもコツコツと勉強してけば、中小企業診断士試験勉強漬けのように時間に縛られることなく、無理なく合格することは可能です。

一方、二次試験は受験者がもともと持っている素養に大きく左右されます。直ぐに合格できる人もいれば、私の知っている限り10年受け続けてもなかなか合格に至らない人もいます。

これは、記述式かつコンサルティングを試す試験であるため、覚えればよいわけではなく、学んだ中小企業診断士一次試験の知識をいかに有効に使えるかは、個人差が大きいと言えるからです。

ビジネス以外でもそうですが、知っているだけの状態とそれを上手に活用できる状態とでは雲泥の差があるのと一緒です。

余談ですが、中小企業診断士合格者は、意外と有名私立や国公立大、一流企業に勤めているような方や税理士、公認会計士などダブルライセンスの一環として取得されている士業の方が多いです。

勉強法を間違わなければ独学合格は十分可能

でも、大丈夫です。安心してください。

一次試験も二次試験も勉強の方法を間違わなければ、筆者(筆者の場合は途中まで勉強法を間違えてたため、合格までに時間がかかりましたが・・)のように無名私立大で一流企業では全くなく、頭が良いわけでもない、普通のサラリーマンでも合格できる試験です。

独学での勉強を目指すのであれば、本ブログやそれ以外にも勉強方法を発信しているブログが沢山ありますので、色々と参考にしながら勉強をしていけばOKです。しかし、自分に合う合わないがありますので、全てを鵜呑みにせず、情報を取捨選択をしながら勉強していくことが重要です。

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中小企業診断士の難易度

6 件のコメント

  • 平成30年経営法務は8点の加点がありました。
    今年は完全に諦めていましたが加点に驚きつつも3度目の2次にトライします。

    • コメントいただきまして、ありがとうございます。

      平成30年度は法務がかなり鬼レベルだったようですね。

      何か疑問点や聞きたいことなどあればお気軽にご質問ください。

      3度目の正直での突破を心より祈念しております。

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