

中小企業診断士の資格を取得する目的の一つに、独立を考えている方は多いと思います。実際、私もその一人です。
独立診断士の実情を知りたかったので、独立1年目の中小企業診断士ポピさんに聞いてきたぶっちゃけ話を大暴露します。
暴露は言いすぎました。リアルガチな内容をご紹介していきます。
- 独立1年目でも公的コンサルの仕事を獲得できることは全然可能
- 先輩の中小企業診断士との人脈づくりはとても大切
- セミナーは収益だけでなく、顧問契約や市場調査としても活用できる万能すぎる入り口商品
- 稼ぐ中小企業診断士は、中小企業診断士以外のフィールドでも活躍している
- 独立1年目でも食っていくレベルであれば、稼ぐことは可能。あとは実力次第。
筆者が独立1年目の中小企業診断士Fさんにぶっちゃけ話を質問したくなってしまった経緯
中小企業診断士の平均年収は、700~800万円といわれています。
詳細については、中小企業診断士とはどんな仕事〔独立を目指し勉強中の方におすすめ〕でお伝えしていますが、実際には1,000万円以上の稼ぐ本物の独立中小企業診断士とそれ以外の一般的な独立中小企業診断士との間に大きな乖離が生まれています。
このデータが実態とどれだけ相関関係があるのかとても興味があったこと、そして筆者自身が目指す本物の中小企業診断士像は正しい方向であるのかを確かめたかったことに起因しています。
もう一つ。ブログネタにもなるかなとの考えも3%ほどありました。
独立1年目の中小企業診断士ポピさんと筆者の関係
今回ぶっちゃけ話をしてくれた独立1年目の中小企業診断士ポピさんは、二次試験合格後に行う「実務補習」で同じ班員として、15日間ともに頑張った仲間です。
その後も定期的に合っており、中小企業診断士として独立して精力的に頑張っていることも知っていました。
独立して1年ほどが経つこのタイミングこそ、独立した中小企業診断士の本当の実情を知れるのではないかと、筆者の中で腹黒い思いが湧いてきてしまったので、おもいきって聞いてみたのです。

初めまして。独立して1年を間もなく迎える中小企業診断士のポピです。年齢は恥ずかしいので年代だけお伝えすると40代ですよ。
aerozol君に根ほり葉ほり聞かれてしまって、気づいたら全て話してしまいました。
折角の機会なので、独立を目指して中小企業診断士の勉強を目指す方、もしくは既に取得して独立の言葉がぼんやりと頭の中で浮かんでいる皆さんのご参考になればと思います。

WEBでの公開であるため、可能な範囲で構いませんのでぶっちゃけ情報を語っちゃいましょう♪
パイセン、よろしくお願いします♬
独立1年目の中小企業診断士ポピさんのふところ事情〔固定収入はあるのか〕

まず、ポピさんの自己紹介をお願いします。

了解しました。
いきなりですが、年収は400万円ほどです。
独立1年目で年収400万円が一般的なのか少ないのかは、周りの中小企業診断士の方と深く年収をすることはしないので分かりません。

中小企業診断士として独立して3年程度は食べられないことを覚悟した方が良いとよく聞きますが、意外とそんなことはなさそうな感じですね。
どうやって収入を得ているんですか?

aerozol君はいつもド直球な質問をしてくるね。清々しい程に(笑)
国が補助金を落としている〇〇支援拠点に在籍(原則週1回)しています。
固定収入として、入ってくるのでとてもありがたいですよ。

〇〇支援拠点って隠しきれていないですよ・・。
ちなみに、日当いくらなんですか?

ちなみにで聞くレベルの質問ではないね。さすが、剛速球投手(笑)。
日当2万5千円です。1年毎での契約更新となっています。

なるほど。と言うことは、週1日×4週×2万5千円=月10万円ってことですね。
独立1年目で固定収入があるのは精神的にも大きいですね。
独立1年目の中小企業診断士ポピさんの懐事情〔固定収入以外に切り込む〕

月10万円なので、年間120万円は固定収入だとわかりました。残りの280万円はどのようにして稼いでいるのですか。
めちゃくちゃ気になりマッスル。

aerozol君やばいね。あのスーパースター大谷投手よりも、メジャーリガーに向いているかも(笑)。
大きく分けて、
-
- 専門家派遣
ミラサポ、都道府県の振興センター、各地商工会議所・商工会
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- セミナー
各地商工会議所・商工会等からの直接依頼、セミナー企画会社登録
- 中小企業診断士の先輩からの依頼仕事
の3つかな。
専門家派遣に切り込む

なるほどですね。専門家派遣は、公的な支援機関が事業者の相談を解決するために、独立している診断士といった士業などの専門家を活用して経営課題を解決する制度ですね。その代表格がミラサポと言えますもんね。
専門家派遣の日当はどのくらいなんですか。

時間や公的な支援機関によって値段が違うけど、だいたい2~3万円だね。
専門家派遣によって顧問契約を結べる人もいるらしいけど、基本的に専門家派遣を利用する相談相手はコンサルなどにお金を払えるような事業者ではないから、なかなか現実的に顧問契約を結ぶのは難しいと思うな。
セミナーに切り込む

公的なコンサルは金額が安いと聞いていましたけど、噂通りだったのですね。それでも、独立当初に仕事を依頼してもらえるのは有難いことだとポピさんではないのに、私が感じてしまいました。
セミナーは収益の柱になりそうですか??

セミナーは講師としての知名度が上がれば上がるほど、金額も高くなります。
私の場合は時間単価で@2~3万円といったところです。
まだまだ駆け出しであるため、がっぽり儲けるみたいなことにはなりませんが、ポツポツとお仕事をいただけているので、愚直にこなしていくだけですね。

単価を聞こうとしたら、先手を打たれたっす。さすが、ポピさん。
セミナーって、大体1時間30分~2時間程度が相場で長くても3時間程度ですよね。
資料作りを考えると時間単価で@2~3万円って全然割に合っていない気がするのですが、実際の所どうなんですか。

もちろん、単発のセミナーだけで捉えると割に合っていません。
駆け出しの私が言うのもなんなんですけどね。
それでも、まずは名前を売って知ってもらうことが大事です。いただいた仕事を一つ一つ愚直にこなして、良い評価をいただくことで次の仕事につなげる以外にないと思うので。

おおっ。中小企業診断士の独立1年目というよりも、仕事をしていく上での一番重要な考え方ですね。

あと、セミナーからコンサルへの仕事につながることもあるんだ。講師料をもらいながら、集客などは中小企業支援機関が行ってくれ、さらにコンサルの仕事や顧問契約につながるかもしれない全ての入り口としてセミナーは捉えても良いかもしれないね。
自主セミナーと比較すると、はるかに効率が良い方法だよ。
それに、どんなセミナーが需要があるのかマーケティングの調査にも使えるから、セミナーで例え儲からなくても得るものはとても大きいと思うよ。
中小企業診断士の先輩からの依頼仕事に切り込む

とても貴重な意見有難いっす。確かにセミナーは営業ツールとして最強なのかもしれませんね。
次に、中小企業診断士の先輩から依頼される仕事があるって言ってましたけど、具体的にどういう内容でどんなタイミングで話がくるんですか。

やっぱりその辺気になるよね。自分も独立する前は、一番気になってた部分だから。
中小企業診断士の先輩とまず接点を持たないと始まらないから、各都道府県に設置されている中小企業診断協会の支部に入会するのが一般的な方法だと思うね(もちろん、入会金や年会費はかかるから注意が必要)。そして、研究会などの集まりに積極的に参加して、中小企業診断士の先輩方に顔と名前を覚えてもらうことが重要なんだ。
中小企業診断士の人たちは飲み会が大好きだから、絶対に懇親会には出るべきだね。基本的に、インフォーマルな空間で仲良くならないと、顔と名前を認識してもらいずらいからね。
自分は懇親会を重要視していなかったので、最初あまり行かないようにしていたら全く成果がなかったけど、行くようにしてからはちょこちょこと顔と名前を覚えてもらえるようになったんだ。
後は、率先して事務局的な役割を引き受けるとかも一つのやり方だと思う。

まずは顔と名前を覚えてもらうことが重要なのですね。その後、どういうタイミングで話がくるんですか。

タイミングとしては向こうの判断だからわからないけど、よくあるのは先輩の中小企業診断士にきた仕事で抱えきれない場合に、若手の中小企業診断士に振るパターンだね。
この場合、先輩の中小企業診断士は仲介手数料をがっつりもらって、若手の中小企業診断士が貰える収入は結構少ないことが多いのがあるある話なんだ。

それは・・・っすね。でも、パワーバランスとか、今後の仕事のことか考えると最初はしょうがいないかもですね。セミナーと基本的に考え方は一緒なのかも。

そうそう、aerozol君わかってるね。全くその通りだよ。
先輩の中小企業診断士からいただいた仕事をいくら収入が安くても自分ができる最高のパフォーマンスを出すことで、少しずつ認めてもらっていけると、そのうち大きな仕事を回してもらえるようになるんだ。
自分は現在ある企業の人事制度構築支援に関わっているんだけど、先輩の中小企業診断士にお声がけいただいたおかげなんだ。
これも、いきなり人事制度構築支援の話をいただいたわけではなく、最初は簡単なデータ入力の仕事を3千円で引き受けて、その後徐々に色々と仕事を回してもらえるようになったんだよ。
漫才の西川きよし師匠じゃないけど、小さなことからコツコツとだね。

独立したら自分の好きなようにっていう考えをする人もいると思うんだけど、どこまで行っても人と人とのつながりが大事だということですね。
独立したての中小企業診断士が公的な仕事にありつく方法

話が戻ってしまうんですけど、〇〇支援拠点にはどのようにして採用されたんですか。
やっぱり独立したての新人診断士は採用されにくいみたいな風潮とかあったりしますか。

昔は独立してから5年以上の年数が経たないと応募すらできなかったという話は聞いたことがあります。
今はaerozol君もご存知の通り、中小企業支援の強化を国が積極的に推し進めているので、新人にもチャンスはまわってきます。
ただ、嘘かホントかは分かりませんが、場合によっては都道府県の大御所の中小企業診断士が事実上の実権を握っているらしく、チルドレン的な人たちで固められているとの噂を聞いたこともあります。本当かどうか分かりませんが。
私は本当に運よく選ばれたと思っています。
独立して1年を振り返って、稼げる中小企業診断士と稼げない中小企業診断士の違いとは

先ほどの話ともつながるのかもしれませんが、独立して1年たって、稼げる中小企業診断士と稼げない中小企業診断士の違いって何か感じました。

先輩の中小企業診断士からの仕事を依頼されるビジネスモデルが基本ルートといえるが故に、よくも悪くも、世渡り上手な人は仕事を多く貰っているという印象です。例えその人に実力がなかったとしても。
しかし、基本的にサラリーマン気質が抜けない人たちの年収は良くても700万円程度であり、さらにほとんどが公的コンサルとなっています。
私が知る限り、公的コンサルで飯を食っている人が6割・・7割くらいな実感かな。

実感として6~7割だと、本物の中小企業診断士は3~4割程度とも言えますね。
やっぱり、中小企業診断士とはどんな仕事〔独立を目指し勉強中の方におすすめ〕で紹介したデータは現実に即していそうですね。
中小企業診断士、経営コンサルタントとして独立しようと考えれば考えるほど、圧倒的な実力をつけ、本物の中小企業診断士として活躍したいと私は考えてしまいます。なんか、俄然やる気が出てきました。

自分があこがれている中小企業診断士の先輩は民間コンサルを中心に活躍しています。
このような方たちは、中小企業診断士内の世界とそこを飛び越えた世界をフィールドに活躍していますね。
自分もそうなりたいと努力しています。
もちろん、憧れている中小企業診断士の先輩は例外なくゴリゴリに稼いでいらっしゃることは、言うまでもないことはOKだよね。
あと、僕は利用していないけど、先輩診断士の中にはフリーランスコンサルタント向けに仕事を紹介してくれるサイトであるイチコンを利用していたりもするよ。
中小企業診断士取得後に独立を視野に入れている方に伝えたいメッセージ

最後に、独立を視野に入れている方に伝えたいメッセージとかありますか。

中小企業診断士の資格を持っていることは、特に独立当初はすごく有利に働きます。無資格者であったとしたら、独立1年目で400万円も稼ぐことができなかったと思います。先輩の中小企業診断士とのつながりを大切にすれば仕事は確保できます。
そこから先は実力次第。
中小企業診断士という資格は、実力次第の土俵に持っていくまでの補助輪として非常に有効な資格ですので、ぜひ勉強中の方はモチベーション高く頑張ってほしいです。
自分もあこがれである先輩の中小企業診断士に追いつけるよう、日々の研鑽に努めていこうと思います。
あと、中小企業診断士として独立1年を振り返って、自分が独立する前に読んでおいて良かった本と講座がそれぞれ一つだけあるので参考までに紹介しておくね。
aerozol君が話しているように、本物の中小企業診断士として仕事をしていくために必要な心構えや考え方が記されているんだ。
aerozol君から、本サイトに訪れる方は圧倒的な実力を武器に勝負したい人が多いときいたけど、そのような方にはとてもタメになると思うよ。

最後に独立における参考書籍まで紹介してくれるなんて、とことん相手想いなポピさんですね。
本当にいろいろリアルがちな情報ありがとうざいました。マジ卍っす。
まとめ
色々とポピさんにお話を聞けて本当に良かったと筆者は感じています。
先輩、そして同期、後輩の中小企業診断士との人脈のつながりを大切にしながら、さらに中小企業診断士内の世界以外のフィールドで活躍するための圧倒的な実力をつけることが、ゴリゴリと活躍する為には重要だと再確認できました。
ぜひ、本物の中小企業診断士になるために、皆さんともに頑張りましょう
- 独立1年目でも公的コンサルの仕事を獲得できることは全然可能
- 先輩の中小企業診断士との人脈づくりはとても大切
- セミナーは収益だけでなく、顧問契約や市場調査としても活用できる万能すぎる入り口商品
- 稼ぐ中小企業診断士は、中小企業診断士以外のフィールドでも活躍している
- 独立1年目でも食っていくレベルであれば、稼ぐことは可能。あとは実力次第。
参考中小企業診断士とWEBマーケティング〔専門がない方ほどおすすめ〕
将来は独立したいなという気持ちを持っていることが、中小企業診断士の資格を目指した目的の一つです。
資格の予備校では独立に対して良い情報だけ、かたやネットで「中小企業診断士独立」などで検索すると、良い情報と悪い情報が真っ二つにわかれています。
実際はどうなのか、生の声を知りたいです。
中小企業診断士の勉強のモチベーションを上げるためにもぜひ、生の情報をお願いします。