中小企業診断士|二次試験〔過去問H25組織〕与件のよみ方1

診断士2次試験過去問|事例1H25年与件編1

第1段落

資本金1,000万円、売上高70億円、従業員数135名(正規社員26名、非正規社員109名)のA社は、サプリメントなどの健康食品の通信販売事業者である。

気づくべきポイント

このブロックは会社概要ですので、注意すべきポイントは特にありません。あえて言えば、従業員数の内訳です。設問から予測された通り、非正規社員の数が圧倒的に多いことがわかります。

設問である程度の推測がたてられていると、中小企業診断士の二次試験の出題者の期待すべき情報を感度高く与件をキャッチすることができます。

概略

ここは、そのまま企業概要でよいです。

段落間の関係性を構造化するための作業となりますので、概略につけるコメントに正解はありませんので、気軽につければ大丈夫です。

第2段落

近年、中高年層を中心に美容や健康の維持・増進への関心が高まっている。なかでもコラーゲンやヒアルロン酸に代表されるアンチエイジング向けや、グルコサミンやカルシウムなどの骨・関節サポート向けのサプリメント市場が拡大傾向にある。大手の製薬メーカー、食品メーカーを筆頭に、規模の大小や業種業態を問わず、多くの企業がこの市場に参入している。

気づくべきポイント

中高年層でピン!ときたのではないでしょうか。第2問設問1に同じワードがでていました。A社がターゲットしている客層にどんぴしゃです。顧客と同じ目線で対応できるスタッフを採用しているかもと考えられますね。

さらに、近年は大手を含めた多くの企業が参入しているとのことから、レッドオーシャンな市場になりつつあるとも言えます。だからこそ、勝ち残っていくためには次の一手が必要だと中小企業診断士の二次試験の出題者は考えているのではないでしょうか。

概略

機会と脅威が記載されているので、現在の外部環境です。

第3段落

これらサプリメントは、必ずしも、薬局やドラックストア、コンビニエンスストアなどの店頭だけで販売されているわけではなく、通信販売やeコマースを通じて一般消費者に届けられている。そうして提供されるサプリメントを、研究開発から生産・販売まで自社で手掛けている企業は数少ない。業界の大半を占める中小企業は、商品企画を自社で行っているとしても、実際にサプリメントを開発しているわけでも、巨額の設備投資を行って生産しているわけでもない。中小企業が提供するのは、いわゆるOEM(相手先ブランド生産)商品であり、A社の商品も同様である。

気づくべきポイント

この段落は、制約(前提)条件として使う必要があります。なぜなら、中小企業は開発や投資による生産はしていない。中小企業が提供するOEM商品はA社も同様である。となっている点です。

前の段落で、レッドオーシャン市場になりつつあるのに、大手でも手掛けられていないことを、中小企業が実現することは経営資源を考えても不可能に近いです。

実務においても中小企業診断士として、そのような提案をすることはまずありません。

逆に言えば、開発や投資による生産ではない部分こそが、勝機を見出せる部分とも言えます。それは、商品企画です。

さらに、お店に卸すだけでなく、通信販売やeコマースを通じて一般消費者に直接届けられるということは、お客様の声をダイレクトに企画に反映させることができそうです。なんとなく、設問との整合性が見えてきますね。

つながりが見えておらず、キーワードだけにとらわれて文章を読んでしまうと、「研究開発から生産・販売まで自社で手掛けている企業は数少ない」との一文から、一貫生産体制を構築できれば競争優位性を築けるのではと、出題者が期待した読み方とは真逆の方向性に走って行ってしまいます。

なぜ大手と中小企業の比較がわざわざ記載されているのかに思いをはせられると完璧です。ただし、ここまで読み取れなくても、経営課題やストーリーが見えていれば、一貫生産体制を構築などという提案は間違っても生まれてきませんのでご安心ください。

筆者はこの年に、自信をもって一貫生産体制を記述しました。もちろん、評価はCとさんざんたるものとなりました。解答編でその時の解答も公開しますので、ご参考にしてください。

概略

現在の市場特性といえます。

第4段落

1990年代の半ばに創業したA社は、初め、近隣県産の特産品の通信販売を営んでいた。A社がサプリメントを扱うようになったのは、現在の主要委託製造先であるX社から販売を依頼されたことがきっかけである。特産品販売の売上が思うように伸びず、いかにして事業を拡大させるかを考えていたA社にとって、サプリメントを少量でも供給するX社からの提案は、受け入れやすいものであった。というのも、以前からA社社長は、高齢化に伴い、団塊シニアを中心とする中高年層に健康の維持・増進向けのサプリメント市場が成長するかもしれないと考えていたからである。

気づくべきポイント

これは過去の話で、サプリメント市場参入への経緯が描かれています。

中高年というワードがまた出てきましたね。同じ言葉複数回使われているときは、中小企業診断士二次試験の出題者からのヒントと捉えたほうが良いです。中高年の層をどう取り込むかが、レッドオーシャン市場を乗り越えていくためにとても重要だとの意思が表れているといっても過言ではありません。そのための分析や提案をしていく必要がありそうです。

概略

サプリメント市場の導入経緯(過去)

第5段落

今でこそ、本社の近隣に100名近いオペレーターからなるコールセンターを構えるようになったが、サプリメント販売を始めた時は、社長夫妻を含めて社員わずか10名程度であった。今日同様、そのほとんどは非正規社員であったが、電話やFAXによる注文の受付、商品に関する問い合わせの対応、商品の梱包・発送、宣伝広告用折り込みチラシや荷物に同梱する説明書の作成に至るまで、全員で日々の業務をこなしていた。しかし、X社から供給された同様の健康の維持・増進向けのサプリメントに注目していたのはA社だけでなく、知名度が高い大手メーカーをはじめ、多くの企業がこの市場に参入してきたために競争が激しくなって、A社の売上は思うように伸びなかった。

気づくべきポイント

10名の時に成長できなかった要因、つまり過去の経営課題の内容が書かれているとても重要な段落です。

どこがそのポイントだったのかを見ていくと、全員で日々の業務を行っていたという部分です。次段落に、どのように解決していったのかが記載されていそうです。まだ、この段階では推測になりますが、全員で日々の業務をこなしていた。の後ろが、「しかし」という逆説が使われています。ということは、全員で全ての業務を一緒にこなすことがまずかったのではないかと想定できます。

さらに、第1問設問2の体制維持のあたりの内容として使えそうだなとあたりをつけられると完璧です。

概略

ここは、そのままの通り過去の経営課題でよいです。

逆説が気になった方へ

長くなりましたので、続きは診断士2次試験過去問|事例1H25年与件編2(詳細はこちらをクリック)をご覧ください。

私のムダな経験が中小企業診断士の二次試験を独学合格目指す皆様に、少しでもお役にたてていれば幸いです。

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