中小企業診断士2次試験過去問
中小企業診断士の二次試験に必要な与件と設問の読み方(詳細はこちらをクリック)、書き方(詳細はこちらをクリック)について、一通りご紹介しました。そこで、具体的に過去問を使った演習を行っていきたいと思います。
解答作成にあたっての作業項目
筆者は大きくわけて(1)設問、(2)与件、(3)マッピング、(4)設問への与件対応付け、(5)解答作成の順番で問題を解くようにしていました。
- (1)設問
- (2)与件
- (3)マッピング
- (4)設問への与件対応付け
- (5)解答作成
中小企業診断士2次試験はコンサルティング報告書だと考えた場合、一貫性のある「筋の通った」解答が求められます。誤解を招かないように言えば、出題者が設定した経営課題解決のストーリーが見ていれば、多少の失敗は全く問題ありません。
出題者が求める解答を導くには、設問文で求められる主題と解答の方向性を制限する制約上限を意識して、解答フレームを先に書き出します。
経営課題や成長のストーリーの一文がどこにあるのかを常に意識しながら、接続詞や段落間の関係によって与件の構造化を行います。
設問と与件から導き出した経営課題とそのストーリーを図にマッピングすることで、一貫性のある解答を書くための方向性を決定します。
各設問に関連する与件対応付けを行い、解答フレームにキーワードレベルで解答を書き出します。
解答フレームをもとに、実際の解答用紙に書いていきます。
そのうち、今回は(1)設問についてみていきます。
第1問
A社は、ここ数年で急速に事業を拡大させている。以下の設問に答えよ。(設問1)
A社のこれまでの成長を支えた、健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくために必要な施策として、新商品の企画や新規顧客を開拓していくこと以外に、どのような点に留意して事業を組み立てていくことが必要であるか。80字以内で答えよ。
時制
時制は「未来」ですので、今後の話であることが分かります。
主題
どのような点に留意して事業を組み立てていくことが必要であるかなので、主題は「留意点は」となります。
制約条件
新商品の企画や新規顧客開拓以外となっています。つまりは、市場浸透戦略をとっていくために必要なものはなにかと問われていますね。
ということは、既存商品(サービス)と既存顧客が解答の切り口として求められていることもわかります。
制約条件は、解答の方向性を制限するだけでなく、解答すべき観点を示唆している場合もありますので注意が必要です。
その他重要な事項
「A社のこれまでの成長を支えた、健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくため」です。これをみて何か気が付かないでしょうか。そうです!A社を成長するための必要な内容が書かれていますね。まだ、与件を読んでいないので確定はできませんが、恐らく経営課題として中小企業診断士の二次試験の出題者は考えていると推測できます。
さらに、「新商品の企画や新規顧客を開拓していくこと以外に」となっていますね。これは裏を返せば、経営課題を達成するためには、(1)「新商品の企画や新規顧客を開拓」と(2)それ以外。つまり、既存商品(サービス)の充実と既存顧客のリピート増がストーリーとして潜んでいると思われます。これに気がついて、与件文を読みにけると、とても整理がしやすくなるはずです。
解答フレーム
(主題)や(切り口)は、分かりやすいように記載しているだけであるため、実際に解答を記入する際には省きます。以降も同様です。
(設問2)
A社は、急速な事業拡大にもかかわらず、正規社員の数を大幅に増員せずに成長を実現してきた。今後もそうした体制を維持していく上で、どのような点に留意していくべきか。中小企業診断士として、100字以内で述べよ。
時制
第1問の関連ですので、「未来」となります。
主題
第1問と同じ問われ方をしていますね。「留意点は、」でOKです。
制約条件
正規社員の数を大幅に増員させずに体制を維持するかですね。設問1と同じように、ここから何か見えてきませんか・・・・。そうです、正規社員と書かれてるということは、もしかして正規社員が一つの切り口になっているかもと考えられます。するともう一つの切り口は反義語の非正規社員が思いつけると完璧です。
その他備考
設問1と同じくくりなので、経営課題も「健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくために、既存商品(サービス)・既存顧客へのアプローチ」をどうするかです。
ちなみに、ネタバレになってしまいますが、解答を考える際に設問1がわからなければ、設問2から正規社員と非正規社員の体制維持が重要であることが分かり、その強みはと考えると設問1の答えがみえてきます。
中小企業診断士の二次試験では、このように裏を返すと答えが見えてくるという場合は多々ありますので、覚えておくとよいかもしれません。
解答フレーム
第2問
A社の従業員の大半を占める非正規社員の管理について、以下の設問に答えよ。(設問1)
A社は、同業他社と比べて時給が多少高くても、勤務経験がある中高年層の主婦をオぺーレーターとして採用している。それには、どのような理由が考えられるか。80字以内で応えよ。
時制
すでに実施しており現状も続いているので、時制としては「現在~未来」となります。
主題
簡単ですね。「理由は」です。
制約条件
「勤務経験がある中高年層の主婦をオペレーターとして採用している」です。分解すると、「勤務経験がある」「中高年層の主婦」となり、そのまま切り口として設定できそうです。
その他備考
もっと言えば、現在すでに行っていることから、経営課題は第1問と同じだと考えられます。ということは、第1問ででてきたように「既存商品(サービス)」が「勤務経験がある」、「既存顧客」が「中高年層の主婦」となんらかのつながりがありそう、とも考えられますね。
解答フレーム
(設問2)
A社のオペレーターの離職率は、同業他社と比べて低水準を保っている。今後、その水準を維持していくために、賃金制度以外に、どのような具体的施策を講じるべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。
時制
今後と出ているので、「未来」となります。
主題
「具体的施策を講じるべき」となっているので、得点に結びつかない無駄な部分は極力削減して「施策は、」となります。
制約条件
オペレーターの離職率は同業他社と比べ低水準、そして賃金制度以外との言葉から、中小企業診断士の一次試験で習った動機づけ・衛星要因の知識を思い浮かべる必要があります。そのうえで、賃金以外の内容を記載していきます。
その他の備考
基本的に、中小企業診断士の二次試験は、「診断(分析)」と「助言(提案)」の問題にわけられます。これは、中小企業診断士の二次試験科目が「中小企業の診断と助言に関する」となっていることからに起因していると思われます。分析は与件文を中心にまとめ、助言については、与件文と一次知識を織り交ぜた解答をしていく必要があります。
動機づけ要因は、提案制度、表彰制度、経営への参画などを覚えておくとよいでしょう。
衛生要因は、職場環境の整備(短時間制度、産休育休制度)などを記憶しておいてください。
解答フレーム
長くなりましたので、続きは診断士2次試験過去問|事例1H25年設問編2でお伝えします。
私のムダな経験が中小企業診断士の二次試験を独学合格目指す皆様に、少しでもお役にたてていれば幸いです。
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