中小企業診断士│2次試験過去問|事例1H25年設問編2

診断士2次試験過去問|事例1H25年設問編2

中小企業診断士の二次試験過去問の解き方〔設問〕

設問

第3問

A社では、最近になって大学新卒の正規社員を採用し始めた。従来、中途採用しか行わなかった同社が新卒正規社員を採用するようになった理由として、どのようなことが考えられるか。80字以内で答えよ。

時制

最近になって大学新卒の正規社員を採用し始めた。と書いてありますね。
このことから、「現在~未来」とわかります。

主題

理由は」となります。

制約条件

大学新卒の正規社員です。ここでは、中途採用のことを書いてはいけません

その他備考

気がついてほしいのは、わざわざ記載した中途採用の文言に出題者のメッセージが隠されているということです。

おそらくですが、中途採用社員でこれまで支えてこられたが、経営課題である「健康食品の通信販売事業を長期的に継続」を考えた際には新卒の正規社員をまきこまなければ、環境の変化に対応するのは難しいと社長は考えていると想定されます。

さらに経営課題を分解すると、(1)新商品の企画や新規顧客の開拓、(2)既存商品(サービス)の充実や既存顧客のリピート率向上でした。

本設問で考えられるのは、(1)or(2)だけ、もしくは両方です。新卒に期待するとは会社の未来を考えていると思われるので、両方である可能性が高そうです。

解答フレーム

(主題)理由は、

[1](切り口1:新商品の企画や新規顧客の開拓)果、
[2](切り口2:既存商品(サービス)の充実や既存顧客のリピート率向上)、事。

第4問

A社では、ICTの専門業者に委託して構築した顧客データベースを活用している。しかし、そこで得られた情報は、必ずしも新商品開発に結びついていない。そうした状況が生じる理由について、80字以内で答えよ。

時制

顧客データベースを活用しているが新商品開発に結びついてないと書かれていますので、「現在~未来」ですね。

主題

理由は」となります。

制約条件

新商品開発に結びついていない理由は、その前文のICTの専門業者に委託して構築した顧客データベースの活用です。これは、(1) ICTの専門業者に委託したことによるもの、(2)顧客データベースの活用方法によるものに分けられます。

中小企業診断士の2次試験の過去問を解いていくと、複数の要因を分解してものごとを考えていくことが求められます。同じようなケースは、他の年度や科目にもありますので、意識してみてみてください。

また、中小企業診断士の試験だけでなく、実務においても要素を分解して複雑に絡まっている事項をつきとめていく行為はとても重要です。

その他の事項

経営課題が出ていたことに気づいたでしょうか。新商品開発です。

中小企業診断士の2次試験の設問は、「診断(分析)」と「助言(提案)」に大別されます。本設問は、助言をしているわけではないので、診断(分析)となります。つまり、原因を突き止めているだけなのです。

中小企業診断士であれば、それをどのように解決するのか「助言(提案)」が求められます。そうでないと、社長は納得しませんし、原因を突き止めることだけを求めて中小企業診断士を呼んでいません。

そうであれば、本設問に紐づく助言(提案)問題はどれにあたるのでしょうか。もう、おわかりかと思います。第3問です。経営課題をしっかりと捉えることで、設問のつながりが見えてきます。

設問を読んだ段階では、完全なストーリーを把握することはできません。しかし、設問のつながりや今回のように設問文のヒントをもとに、ある程度の経営課題や成長のストーリーが描けることはおわかりいただけたのではないでしょうか。この作業こそが、中小企業診断士の2次試験において最も重要な作業となります。

解答フレーム

(主題)理由は、

[1](切り口1:ICT専門業者委託)果、
[2](切り口2:顧客データベース活用方法)、事。

設問読み終わり段階でのマッピング

健康食品の長期的な事業継続既存商品(サービス)の充実や既存顧客のリピート率向上

現在 未来
環境分析 1-1
戦略 1-2
組織 2‐1・3
人事 2-2

第1問1で、強みを導き出し、それをどのような戦略(方向性)によって、長期的に継続していくのかが求められています。

診断士2次試験過去問|事例1H25年設問編1(詳細はこちらをクリック)でお伝えした通り、正規社員と非正規社員の切り口が見えれば与件も整理しやすくなるため、完璧な対応といえます。

そして、2‐1と2―2は非正規社員の活用ですね。2‐1は、既存顧客と既存商品の切り口で答えられそうです。2―2は、中小企業診断士の1次試験の動機付け・衛星要因で当てはめられます。

さらに、3問目の正規社員(新卒)がもう一つの経営課題にも対応していることから、非正規社員の提案にも同様につなげられないかと考えると、動機づけ・衛生要因かつ既存・新規の経営課題でとらえることができます。

そして、3問は、1‐1と1‐2を継承した組織体制が求められています。中小企業診断士の1次試験の知識である「組織は戦略に従う」ですね。

新商品の企画や新規顧客の開拓

現在 未来
環境分析
戦略
組織 4 3
人事 2‐2

第4問によって、新商品開発が滞っている内容を明らかにし、それを踏まえた改善策を第3問で提示します。第3問だけでは、第4問の改善策提示が一つだけになってしまうため、もう一つの切り口はないかと探すと、2-2が活用できそうだと見つけられると完璧です。

ここも余談ですが、マッピングによってICT専門業者委託・顧客データベース活用方法と、正規社員(新卒)・非正規社員の切り口で整理や考えていくと、答えが見つかりそうだと思われます。

各設問単体をみているだけでは見えてこないですが、マッピングによって全体を見通すことで出題者のストーリーがおぼけながら見えてくるのだとご理解いただけたのではないでしょうか。

ただし、中小企業診断士の2次試験出題者が期待するストーリーを見出すには経営課題をしっかりと把握できていることが絶対条件となることを忘れてはいけません。

長くなりましたので、続きは診断士2次試験過去問|事例1H25年与件編1(詳細はこちらをクリック)をご覧ください。

私のムダな経験が中小企業診断士の2次試験を独学合格目指す皆様に、少しでもお役にたてていれば幸いです。

診断士2次試験過去問|事例1H25年設問編2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。