中小企業診断士の二次試験〔過去問:H24組織・人事〕設問の解説

中小企業診断士の二次試験〔過去問:H25組織・人事〕設問の解説
迷える中小企業診断士受験生

平成24年度の事例1(組織・人事)を解いてみたのですが、全く歯が立ちませんでした。どのような手順で問題を解けばよいのか、そしてその後の振り返りはどのようにすればよいのかが定まっていません・・・。

ヒントを、ぜひヒントを・・・切に願います。

aerozol

過去問は中小企業診断士の一次試験においても、二次試験においても最高の教科書です。

二次試験においては、答えを覚えるのではなく、どのようなプロセスを踏んで解答を導出するのかにフォーカスをあてなければ、安定的な合格はありえません。

再現性の高い解答(勉強)方法について、H24年度の事例1(組織・人事)を使って、具体的にみていきましょう!

本記事の要点

設問の解説は後段に譲りますが、過去問の解説を通してお伝えしたいことは以下の内容です。

  • 解答ステップを頭に入れて、思考プロセスのポイントを自分なりに理解すること
  • 経営課題の特定による全体把握力をまず習得すべき
  • 汎用的なフレームワークに頼りすぎず、設問や与件に対して忠実に従うこと
  • 解答を覚えるのではなく、思考のプロセスを理解することに主眼をおいた復習がめちゃ重要

各設問を考える前に、解答ステップの振り返り

迷える中小企業診断士受験生が言われていた通り、中小企業診断士の二次試験は解答の解き方はもとより、勉強の振り替えりがとても難しいです。

一次試験の勉強方法とは、大きく変わる点をまず前提として抑えてください。

前提とは何か?については、こちら〔中小企業診断士の二次試験勉強はじめの一歩〔一次勉強中の方必見〕〕をご覧ください。

  1. 設問のマッピング(俯瞰的に設問をみる)
  2. 各設問の要素ごとに捉える
    • 主題
    • 制約条件
    • 切り口

設問のマッピング

設問のマッピングとは全体を俯瞰するための作業です。

全体を俯瞰できると、企業が進む方向性を理解できるため、各設問で大外ししない解答が作成できるようになります。

該当論点 過去~現在 現在~未来
経営課題
環境分析
経営戦略
組織・人事

第1問

A 社のような中小企業が近年、海外での事業活動に積極的に取り組むようになっている。A 社のような企業の場合、どのような外部環境の変化が海外進出を促していると考えられるか。

その要因を2つあげ、それぞれ 40 字以内で簡潔に述べよ。

平成 24 年度第二次試験問題事例1(組織・人事)

時間軸

直目すべきは、「積極的に取り組むようになっている」と「どのような外部環境の変化が海外進出を促していると考えられるか」の2点です。

ポイント1

「積極的に取り組むようになっている」から、現在進行形で行われていることが分かります。

ポイント2

さらに、「が海外進出を促している」との記載からも現在進行形であることは確定ですね。

該当論点

次に該当論点を考えていきます。

どのような外部環境の変化が海外進出を促しているか。

これは、もろに記述があるので、大丈夫かと思います。そうです。「外部環境」ですね。

つまり、環境分析の問題だと特定できます。

覚えておこう

あくまで事前の知識として、想定しておけるとよいレベルです。この知識を無理やりあてはめるのではなく、設問や与件に記載されている切り口があくまで最優先であることを忘れないでください。

外部環境分析の汎用的なフレームワーク
  • 機会(A社にとってプラス)
  • 脅威(A社にとってマイナス)

設問をマッピング

以上をもとに、第1問をマッピングするとこのようになります。

該当論点 過去~現在 現在~未来
経営課題
環境分析 第1問
(外部環境分析)
経営戦略
組織・人事

第2問

A 社は、Y社の要請による海外進出を実現していないが、X 社の要請に応じて、2002 年に東南アジアの新興国S国に初めて生産拠点を設けている。

Y社の要請による A 社の海外進出が実現しなかったのはなぜか。X社の状況を考慮に入れて、考えられる理由を100字以内で答えよ。

平成 24 年度第二次試験問題事例1(組織・人事)

時間軸

この設問文を整理すると、

  1. 2002年にX社の要請でS国に初めて生産拠点を設けた
  2. Y社の要請によるA社の海外進出は実現しなかった。

となります。

時間軸としては2002年よりも前にY社は要請していたということになるので、(2)(1)だとわかります。

ポイント

以上から、問われている時間が2002年時点であると理解できるため、過去~現在に分類できます。

該当論点

反応すべき部分は、「Y社の要請による A 社の海外進出が実現しなかったのはなぜ」です。

一般的に考えて、海外進出はリスクが高く、なおかつ投資にも費用がとてもかかる、会社にとって成否をかけた一大プロジェクトであると想定して不思議ではありません。中小企業であれば、なおのことです。

結果的にX社の要請を受け入れた経緯を考えると、A社の戦略上において、Y社では埋められなかった課題があったのではないかと考えられます。

ゆえに、該当論点としては「戦略」となります。

一歩踏み込んだ重要な考え方

Y社では埋められなかった課題を特定できれば、本設問で合格点は獲得できます。

この経営課題を特定する方法が重要なのですが、今回の設問を使ってプロセスをたどると以下になります。

経営課題の特定方法
  1. 2002年以前の経営課題を与件もしくは他設問からチェックする。
  2. 記載がない場合は、2002年以後のX社の要請によって、海外進出が円滑に進んだ内容を把握する。
    • X社の要請を受け入れたということは、X社であれば海外進出における経営課題を解決できると考えたからと推測できます。
    • ということは、X社の要請によって円滑に進んだ内容は2002年時点に想定していた経営課題と紐づけられます。

設問マッピングの考え方

この設問単体での該当論点を特定するのは難しいかもしれません。このような場合は、とりあえず該当していると思われる論点に仮説としてあてはめておき、その後、修正を図っていけばOKです。

経営課題さえ特定できれば、各設問の流れは手に取るようにわかります。この経営課題を特定させていく仕込み段階として、設問マッピングを行っている部分もあるので、設問を最初に読んで、一発で仕留めようと考えなくて全く問題ありません。

該当論点を見極める判断基準
  1. 第1問のように該当論点とわかる言葉が記載されていれば設問に従う。
  2. 分からない時はひとまず自分のなかで仮定した該当論点の場所に記載する。
    • 全節問マッピング終了後に各設問との整合性から、適切な位置を判断する。
    • 与件チェック後に、経営課題との整合性から、適切な位置を判断する。

覚えておこう

あくまで事前の知識として、汎用的に利用できるフレームワークをご紹介します。フレームワークを使うことが目的にならないように注意してください。

経営戦略の汎用的なフレームワーク
  • 外部環境×内部環境=経営課題の解決

設問をマッピング

以上をもとに、第2問をマッピングするとこのようになります。

該当論点 過去~現在 現在~未来
経営課題
環境分析 第1問
(外部環境分析)
経営戦略 第2問
組織・人事

第3問

日本国内で重要保安部品を自動車部品メーカーに供給しているA社では、表面加工処理の自動化システムなどを開発し、品質の確保を図ってきた。しかし、東南アジアの中でも労働者がまじめで勤勉だといわれるS国の工場に、品質保証のためのシステムを導入したにもかかわらず、X社向け表面加工処理が主であるS国の工場を日本の工場の品質保証レベルにまで引き上げるにはかなりの時間がかかった。

それには、どのような理由が考えられるか。120 字以内で答えよ。

平成 24 年度第二次試験問題事例1(組織・人事)

時間軸

最後の文末「S国の工場を日本の工場の品質保証レベルにまで引き上げるにはかなりの時間がかかった」に要注目です。

「かかった」なので、過去形だと判断できます。

加えて、第2問との時間軸を考えると、第2問第3問となっていることも判明しました。

この結果から、時間軸の過去~現在の部分をより細分化して、2002年以前と2002年以降~現在の2つに分離させる必要性があります。

重要ワードを見つけられたか

この設問と直接の関連しませんが、第2問と大きく絡んでくる文言が入っています。

品質保証のためのシステムを導入したにもかかわらず、X社向け表面加工処理が主であるS国の工場を日本の工場の品質保証レベルにまで引き上げるの一文です。

経営課題

S国の工場を日本の工場の品質保証をレベルにまで引き上げるられるかどうかが、A社にとって大きな焦点であったと想定されます。

さらにX社の場合は品質保証システム以外に品質保証のレベルを保つ何らかのメリットがA社にあり、Y社にはそれがなかったと考えられます。第2問は、先ほどの内容にあわせてXとY社の対比で情報を整理できると答えが見えてきそうです。

該当論点

「品質保証のためのシステムを導入したにもかかわらず、X社向け表面加工処理が主であるS国の工場を日本の工場の品質保証レベルにまで引き上げるにはかなりの時間がかかった」の一文です。

システム的には、日本と同様のものを組み入れています。さらに、東南アジアの中でも労働者がまじめで勤勉だといわれるS国とのことから、日本人と同様の気質を持っていることを出題者は伝えたいと思われます。

つまり、システム以外の何かが問題であったということです。

その問題とは何か。と考えれば、事例1であることを考えると、組織もしくは人事と関係がありそうだと推察できます。

設問をマッピング

以上をもとに、第3問をマッピングするとこのようになります。

該当論点 2002年以前 2002年以後~現在 現在~未来
経営課題 国内での品質保証レベルの確立 国内と同様の品質保証レベルの確立
環境分析 第1問
(外部環境分析)
経営戦略 第2問
組織・人事 第3問

2002年以前の経営課題は、仮説として挙げています。

理由は、国内と同様の品質保証レベルの確立との文言から、国内レベルの確立をするまでにも相当な苦労、およびそれが経営課題であったということは容易に推定ができるからです。

第4問

A 社では、生産現場管理に精通し管理能力に長けている係長クラスの人材を海外生産拠点の工場長として送り込んでいる。現地工場の運営管理以外に、係長クラスの人材に、どのような役割を期待し、どのような能力を向上させていくべきかについて、中小企業診断士として、A 社の社長に 100 字以内で助言せよ。

平成 24 年度第二次試験問題事例1(組織・人事)

時間軸

簡単ですね。「どのような役割を期待し、どのような能力を向上させていくべきかについて」なので、未来であることはお分かりかと思います。

該当論点

どのような能力との記載があることから、「人事」と分かります。

組織と人事の見分け方(一例)
  • 組織
  • 部門や課などチームや複数人に関わる場合

  • 人事
  • 個々人に関係する場合

注意したいのは、経営課題が何かを本設問から分からないので、まず経営課題を見極めてから、解答を考えていく必要があります。

覚えておこう

組織と人事におけるフレームワークが存在します。ただし、あくまでフレームワークですので先ほどから口酸っぱくお伝えしている通り、設問や与件の切り口が優先となります。

外部環境分析の汎用的なフレームワーク
  1. 組織
    • 組織構造(ハード)
    • 組織文化(ソフト)
  2. 人事
    • モラール
    • 能力

設問をマッピング

以上をもとに、第4問をマッピングするとこのようになります。

該当論点 2002年以前 2002年以後~現在 現在~未来
経営課題 国内での品質保証レベルの確立 国内と同様の品質保証レベルの確立
環境分析 第1問
(外部環境分析)
経営戦略 第2問
組織・人事 第3問 第3問

第5問

A 社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義型賃金制度を導入しようと考えている。中小企業診断士として、制度の設計および導入にあたって、A社の場合、どのような点に留意すべきかを120字以内で助言せよ。

平成 24 年度第二次試験問題事例1(組織・人事)

時間軸

第4問同様に簡単に分かりますね。「助言せよ」との記載から、未来だとわかります。

該当論点

成果主義賃金制度の導入との記載から人事かなと思ってしまいがちですが、人事制度の設計と導入に関する内容が問われています。

つまり、設計と導入の際に組織としてどのように円滑に経営課題の解決につなげられるようにすべきかが必要だと考えられます。

上記が考えられなかったとしても、第4問が人事で問われていると分かれば、同じ該当項目で第5問も問われることは考えにくいため、第5問は組織の論点であろうと推測できます。

※中小企業診断士とは、論理的に考えられる人間です。そのためには、MECE(モレなく・ダブりなく)の視点が求められることから、第4問と同じ論点で第5問が問われることはあり得ないとはんだんできます。。

覚えておこう

今回の切り口は、設問で問われている内容にそった形で解答することが必須です。勝手なフレームワークを活用して、解答してしまうと正解から離れていってしまいます。

解答に使う切り口
  • 設計
  • 導入

設問をマッピング

以上をもとに、第1問をマッピングするとこのようになります。

該当論点 2002年以前 2002年以後~現在 現在~未来
経営課題 国内での品質保証レベルの確立 国内と同様の品質保証レベルの確立
環境分析 第1問
(外部環境分析)
経営戦略 第2問
組織・人事 第3問 第4問(組織)
第3問(人事)

まとめ

迷える中小企業診断士受験生

おぉ。設問の捉え方がなんか見えてきました。

重要なのは、経営課題をまずとらえることが重要なのですね。

べ、勉強になります。

復習ポイントが明確になったので勉強のやる気がわいてきました。

設問に対する解答ステップを頭に入れて、もう一度復習してみるっす。

aerozol

そうですね。

重要なのは、

  • 解答ステップを頭に入れて、思考プロセスのポイントを自分なりに理解すること
  • 経営課題の特定による全体把握力をまず習得すべき
  • 汎用的なフレームワークに頼りすぎず、設問や与件に対して忠実に従うこと

です。

解答を覚えるのではなく、思考のプロセスを理解することに主眼をおいた復習を何度もチャレンジしてみてください。

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中小企業診断士の二次試験〔過去問:H25組織・人事〕設問の解説

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